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久しぶりに議会に関する考えを記事にいたします。

すでに現職を離れているため議会人としての権限はなにもありませんが、ひとりの住民として議会のあり方について疑問を覚えましたのでここに疑問とその理由、それについての私の私見を述べたいと思います。

なお、当該委員会の議事の内容について今回触れるものではありませんし、その結論についても意見を挟むものではありません。

また、東みよし町議会そのものについて批判する意図はないものと予め申し添えておきます。

 

また、少し長文となりますが、以下の考えや見識について誤りや異論がある方はぜひお教えくださいますようおねがいもうしあげます。

 

以下本題に入ります。

 

本日(9月15日)付の徳島新聞に「東みよし町の庁舎統合委、住民の傍聴認めず」との見出しの記事がありました。

これについて、少し違和感を覚えました。

 

地方自治法第115条に、「普通地方公共団体の議会の会議は、これを公開する。」と規定されています。

つまりは議会の議事は公開されるのが原則です。

ただ、同法同条には但し書きがあり、「但し、議長又は議員三人以上の発議により、出席議員の三分の二以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。」と加えられています。

 

これに基づき、標準町村議会委員会条例では傍聴の取り扱い及び秘密会の扱いが規定されており、東みよし町議会委員会条例でもこれに準拠し、第17条、第18条において「傍聴の取り扱い」、及び「秘密会」について規定されています。

 

記事によると、今回の庁舎統合建設等特別委員会において傍聴希望者5名の来庁に対し委員会で傍聴の可否を採決していることから、委員会は秘密会となったと思われます。

(委員会条例第17条に基づく傍聴の可否の取り扱いは委員長の権限となっており、同第18条2により採決を伴うのは秘密会とすることについての可否採決であるため)

 

ここで、委員会を秘密会とするとき、全国町村議会議長会発行の「議員必携」によれば、議事公開の原則からみて秘密会は軽々しく行うべきではないという趣旨から、その開催手続きについては特に「議長または議員三人以上の発議により出席議員の三分の二以上の特別多数議決が必要とされている」とされていますが、東みよし町では特段の規定がないため、一般的な多数決による採決だったと思われます。

 

そうしたプロセスを経て秘密会となった以上、議事の記録はとるものの、その秘密性の担保のため議事は公開されませんし、議員はその内容について秘匿する守秘義務が生じます。

 

さて、秘密会の性質については以上のとおりとなります。

上記のとおり、秘密会は地方自治法に基づく議事公開の原則を超えるだけの要件を要していなければならないと私は考えています。

 

私が委員長をしていた折に、委員会傍聴希望が二度ほどありました。

一度は地方自治法および当町の委員会条例に基づき、委員長として許可しました。

もう一度は「議事の中に秘すべき個人情報があること、および、傍聴があることにより委員の採決判断に重大な影響を及ぼし、もって委員会の採決結果が変わる可能性もあること」を理由として傍聴を許可しませんでした。(委員会後に議事録の開示請求には応じました)

 

 

今回の新聞記事によれば、傍聴に反対した委員の意見として「庁舎の増改築について質疑する委員会であって、統合の是非を議論する場ではなく、傍聴を認める理由がない」との意見があったとのことでしたが、傍聴者はその協議あるいは審査内容を指定して傍聴希望をしているわけではないことから、傍聴拒否の理由にはならないのではないかと考えています。

 

傍聴拒否は委員長の判断ですから、そこに委員長の責任と権限の範囲であると思いますが、こと地方自治法の原則を超える秘密会の要件としては

1.重大な個人あるいは法人の秘すべき情報があること

2.公開することで個人あるいは法人・団体の重大な不利益をもたらす懸念があること

3.公開することで採決に重大な影響を及ぼす懸念が大きいこと

を判断の基準とされるべきではないかと思っています。

 

以上のことから、今回の議会の判断について自らも議会に身をおいていたものの一人として、少なからず違和感を感じています。

 

 

Source: 草莽崛起 松浦明人の今こそ全力

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